16 Happy Wedding!

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「……もっ、私がダメ」 「えっ……」 「愛してる、ちょーだい、尚くんの全部」 「っ……」 結婚式前夜にホテルに泊まって……明日が来るのをのんびり寝て待ってられるほど、私は純粋じゃないから。 大好きな旦那さまを、自分から……求めてしまう。 ほんと、ママになるってゆうのにどーしょもない。 「ねぇ、シて」 「梨世ちゃん、ちょっ……やば」 「私の……触って」 「っえ……あっ」 尚くんの腕を掴んで、キスの練習だけで濡れてしまったそこに誘導する。 頭の中がぼやけて、麻薬みたいな怪しいクスリに侵されたような……そんな熱がさっきからずっと止まない。 尚くんが好きで、好きすぎて、欲しくて…… 「こんな私……呆れる?」 「んなわけないでしょ…………僕を、煽らないで」 「えっ、いやっ……」 だけど―― 「あっ、そこやだ、んっ、あぁ」 「煩いなぁ、隣の部屋に聞こえちゃうよ、ふふ」 「っ、ひど、い……」 また、形勢逆転。 「口、塞いであげよっか」 「んっ、ぐ」 そして、また尚くん自身が私の口を犯す。 これをされると、息苦しいのに濡れすぎて、私はいつもたまらなく涙が溢れる。 本当にもう、オカシな愛に狂ってるってわかってる。 「僕らがこんなことしてるなんてさ、明日来る人たちが知ったらどう思うかな」 「んっ、んっ……」 「花嫁さんがこんな淫乱過ぎてどうするの?」 「ち、が……」 「可愛いね……だらしなく、僕を欲しがって」 「…………」 かけられてる言葉も、乱暴なはずなのに。 嬉しくて、もっと(なぶ)って欲しいとさえ思うのは私の、性なんだろう。
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