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ーー次の日……
「梨世ちゃん、本当に綺麗よ」
「……ありがとうございます、蘭華さん」
新婦の控室でR.iseのドレスを身にまとい、メイクアップしてもらった私が鏡の前に立っている。自分で言うのも難だけど、私……すごく可愛いと思う。
髪は綺麗にまとめあげられていて、そこにベールをつけられると私は一瞬にして花嫁姿に変身するの。
色白の肌に、桜色のチークが柔らかく乗っている。
唇には、自分が映ったあのCMのルージュを塗ってもらったよ。
「尚、どんな顔するかしらね」
「えへへっ、楽しみです」
さぁ、両家の顔合わせが終わったら、もうすぐ……挙式が始まる。
私はママに手を引いてもらって、バージンロードを歩くよ。
海の見えるチャペルの両側に……皆がいる光景を想像すると、今すぐにでも泣きそうな気持ちになる。
「ーーママっ!!」
「っ、梨世ちゃん……」
素敵な刺繍が入った黒留袖を着ているママと、顔を合わせる。
「すごく可愛いわ、ささ、早く両家の控室にいらっしゃい」
「うんっ!」
私はメイクをしてくれた蘭華さんとママと3人で控室に向かう。
きっと、尚くんと禅さんが待っていてくれる頃だ。
「お待たせしましたっ……」
「……りっ」
控室に入るなり、私と尚くんはお互いを見つめて言葉を失った。
あのとき、雑誌の特集で撮ったはずなのに。
一度、着ているはずなのに……かっこよすぎる尚くんから目が離せなかった。
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