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「……さ、写真も撮ったことだし」
「とうとう、本番だね」
ママと腕を組んで、歩き始めるスタート地点に立つ。
今まで、親不孝なこともしちゃってごめんね。
2回も離婚して、心配かけてごめんね。
「ママ、今日まで……たくさん迷惑かけて、ごめんね」
「何言ってんの、梨世ちゃん」
「2回目の結婚式……許してくれてありがとう」
「梨世ちゃんの幸せを、ママはいつでも一番に考えてるわ」
「ママと……バージンロード歩けること、誇りに思う」
まだ、音楽も始まってないのに、目の縁に涙が溢れてきちゃうよ。
「あらあら、梨世ちゃん……泣くのはまだ早いわ。お腹の子も、ママ弱虫って思ってるわよ?」
「だっ、て……」
綺麗なパイプオルガンの音が鳴り出すと、一歩、また一歩と進む足取りがなんだか今までのたくさんのことを思い出させるの。
あ、もうすぐ――
チャペルの、ドア。
それが、開かれる――
「――っ!!!」
新婦入場の合図で扉が開くと、両側に大勢いる、大好きな人たちと、ジュピプロのメンバー。
それを見て、もう涙を止めることが出来なかった。
そして、先に辿り着いた尚くんが私を待っていてくれたから、ママにベールダウンをされた私は尚くんへバトンタッチされてそのまま進んでいると、小さく『梨世、おめでとう』と、隣を通った瞬間に声をかけられた。
「……っ」
絆、くん。
満面の笑みで祝福の拍手をくれる彼を見て、私は『ありがとう』と、目で返事をすると、私の大好きだった笑顔でもう一度、笑ってくれた。
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