16 Happy Wedding!

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『病めるときも健やかなるときも――』 「「はい、誓います」」 ふたりして、揺らがない決意を皆の前で証明すると、指輪の交換と誓いのキスが待っていた。 「!」 「……ふふ、素敵でしょ」 だけど、まさか。 こんなサプライズ――やめてよ、尚くん。 嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。 「……うん、ちょうどいい、ぴったりだね」 「……っ」 私の左手の薬指に通された綺麗なダイヤが散りばめられた指輪は、尚くんの……手作りなんだって。 いつしか私がR.iseの指輪のコレクションを見て、『このリボンの部分が、蝶々のモチーフだったら私と尚くんが最初につけた、蛇と蝶々の指輪に似てて素敵だな』と言ったことがあった。 尚くんは、それを作ってくれた。 ひそひそ声でそれを伝えた彼は、満足そうな顔をして私のベールをふわりと捲る。 さっきまで布越しに感じていた彼の顔を直接見れて、心臓がトクン、と甘く震えた。 『誓いのキスを』 「……愛してる」 私の肩を優しく掴みながら、尚くんの顔が傾いて私の唇に柔らかく、彼の唇がふわりと触れた。 幸せで、涙がじんわり瞳を濡らして視界が滲んだ。 キスなんて、何百回ってきっとしてきたけど。 今日のキスは、一生忘れないと思うの。 唇が離れても余韻が消えることは全くなくて、ずっと残る、幸せな熱。 ――パチパチ と、たくさんの拍手に包まれながら、私と尚くんは扉の方に向かって歩き出す。 太陽が反射してキラキラ光って吸い込まれそうな海の青の中を、私たちは祝福のフラワーシャワーと一緒にたくさんのシャッター音に包まれながら先に進んだ。
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