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チャペルを出ると、大号泣しちゃう私に尚くんが優しく頭を撫でてくれる。
「尚くんっ、あんな……嬉しいサプライズ、聞いてないっ……」
「……ふふ。だって梨世ちゃんを驚かせたかったから」
「あーあ、梨世ちゃん……メイク直ししないとね」
「っ、ごめんなさっ……蘭華、さん……」
――――……
――「きゃぁぁあ! まり、やったね!!」
そのあと待っていたブーケトスは、なんとまりりんが取った。懐かしいよね、まりりんが元カレと別れた慰め会と、私のジュピプロ歓迎会を一緒にやってから、1年経ったんだ。
まりりんも、いい人と結婚してほしい。
そして、私たちみたいに幸せになってほしい。
偉そうなことは言えないけど、ゆうなんもまりりんも、尚くんの親友で、私の大好きなお姉さんたちだから。
そのあと、尚くんは披露宴の受付をゆうなんとまりりんに任せて、一旦私たちは控え室に戻ることになった。
「梨世ちゃん……すっごく綺麗だよ」
「尚くんも」
「キス、あんなちょっとじゃ足りなくなっちゃうね」
「ダメだよ、さすがに」
「はぁい」
蘭華さんにメイク直しをしてもらっている間、尚くんは禅さんとお話してくると言って離れた。
その隙に、私は蘭華さんにあるお願いごとをしたの。
「蘭華さん、先日の……」
「わかってるわよ、アタシは……尚の親だからね」
「ありがとうございます!」
「梨世ちゃんの頼みなら、なんなりと」
私からのサプライズだって、あるんだからね。
見ててよ、尚くん。
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