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――「……んっ、ふ」
「……あ、梨世ちゃ…………」
私、一体何してんだろ。
お色直しして会場に戻るまで……
あと、10分しかないのに。
誰からも見つからない部屋で、私を見てはち切れそうになっていた彼を、気持ちよくさせてあげたくて。
「…………なに、この背徳感、最高」
「んっ、ん」
ドレスが汚れないように、彼のもとにかしづいて。
口を大きく開けて、彼を飲み込んでいます。
「……キミを、こうして見下ろしてると」
「…………んっ」
「……可愛すぎて、すぐ、イきそ」
そうして見上げると、顔を歪めて感じている彼が愛しくて……私は手を、口を、彼が気持ちよくて好きな速度に早める。
「あっ」
「…………っ」
少し照れて、口を片手で覆う仕草がたまらなく可愛くて……その姿で呆気なく果ててしまった彼の体液を1滴残らず飲み干す。
――トントン
――「そろそろです」
「……っ、はい」
いきなりのノックの後に聞こえた式場スタッフさんの声は、すぐに溶けて消えた。
私たちも息を整えて、軽く触れるだけのキスをして。
「……僕たち、すっごいイケナイことしたね、ふふ」
「衣装がシワになったりしたらどうしようかと思っちゃったよ……」
「だめだ、だって梨世ちゃんが好きすぎて……戻るまで我慢出来そうになかったんだもん」
あぁ、もう。
尚くんが好き。
喉の奥が、尚くんで熱い。
私たちはそんなことをしてたなんて誰にも気づかれないように、手を繋いで控え室から出て会場に戻った。
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