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――――……
――……
「梨世ちゃん!!」
「尚さーんっ!!」
お色直し後に、キャンドルを持って再び私たちは皆の前に出て会場全体を見渡した。
中座してる間、私のドレス色当てクイズが開催されたり、私たちの馴れ初めムービーをスクリーンに流していたりしたのだけど、楽しんでくれたかな。
「梨世ちゃん、可愛すぎる」
「…………尚くん、手、怪しい」
「ん?」
片手はキャンドルをふたりで持っていて、片手は私の腰に添えてるのだけど……
「それ、もう少しでおしり……」
「ふふ」
そうして、尚くんに変なことをされそうになりながら大歓声と拍手と大好きなカメラのシャッター音をたくさん浴びて、私は席についたの。
でね。
ここからが、私の出番だよ。尚くん。
「――それでは、先程のドレス色当ての――」
色当てクイズの当たった人にプレゼントあげたり、Spicaのミニステージをしてくれたり、楽しい余興を終えて。
「梨世ちゃん、次はとうとうお手紙読むやつだね」
「えへっ、実は違うの」
「えっ」
尚くんが、すっごく驚いてる。
綺麗なガラス玉の目を真ん丸に見開いて、何?という顔で私を見つめているのが可愛いの。
「――ここで、新婦梨世さんから、新郎尚さんへのサプライズです!!」
司会のお姉さんの声を合図に、部屋全体のライトが消えて真っ暗になった。
「……えっ、梨世ちゃ……」
「尚くんが、どれだけ愛されてるか教えてあげる」
蘭華さんが前へ出てきてくれて、私と一緒にマイクを持ってくれる。
「奈緒ちゃん、もとい、木暮尚氏へ。ご結婚おめでとうございます、あなたへの、感謝のリレーです」
ね、よく……見ててね。
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