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頑張ってアポを取って、蘭華さんとママと早速会いに行ったら立派になったね、と褒めてくださった。
私のこと忘れないでいてくれたんだ、さいかわさん。
私は……ちょっと忘れちゃってた。
ごめんなさい。
「えっ!! あの奈緒ちゃんとあなた結婚式するの!?」
「えっ!! 披露宴に、ご招待させていただいたのですが……」
「……嘘、えっと、待ってよ? あ、がーん……」
犀川さんは、パソコンをチェックするなり悲しそうに項垂れてしまった。
なんと、結婚式の招待状は全国各地から届きすぎてしまうから行くことが難しくて秘書の方にどの人に対しても多忙で欠席にしてもらっているらしいの。
まぁ、尚くんは本当に『多忙で欠席』だと思ってるから、私にとっては都合がいいの。
「梨世ちゃん、あの奈緒ちゃんとの披露宴、少しだけ顔出させてくれないかな?」
「い、いいんですか!?」
「奈緒ちゃんに内緒にしたいんだよね?」
「は、はい!!」
「じゃあ、サプライズとかも含めて乗るよっ」
「あ、ありがとうございます!!」
犀川さんがこんなにフレンドリーな方だとは思わなかった。男性だけど、少しだけ中性的な感じなのにダンディで……多分お歳は50歳くらいかな?
それにスマートで素敵な方だな。
尚くんも将来こんな感じになったら、もっと素敵だろうな。
そんなことを思いながら、何度か出向いて犀川さんとサプライズの話を詰めていった。
結果……あの、暖かくて素晴らしいムービーが出来上がったんだよね。
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