347人が本棚に入れています
本棚に追加
/541ページ
ママも蘭華さんも、泣いてる。
あたたかくて、消えない幸せがどんどん溢れ出てくるの。
尚くんの丁寧な結びの挨拶で、披露宴は幕を閉じた。
帰りに小さなお菓子を配るのだけど、その時にいろんな人と一緒に大好きな写真を撮ってるんだ。
――パシャっ
「佑子さんっ」
「梨世ちゃん……木暮社長、本当におめでとう」
「今日は来てくれてありがとうございます」
「あら、梨世ちゃん、かしこまっちゃって。あなたが1年前にうちにカラーしに来たときの表情と、まるっきり変わったわね」
「えへへ」
「次は何色にする?」
「んー……また、尚くんとお揃いの髪にしたい」
「梨世ちゃん、シルバーはやめときなさい?」
「じゃあ僕がピンクブラウンにするよ」
「「えっ!」」
「え?」
尚くんが、僕なんか変なこと言った?って顔で見てくるのだけど、充分変なことだったよ。でも……意外に似合うかもしれない。見てみたい。
そうして佑子さんと会話を交わして、次はRe:leafの月岡さんがやってくる。
「木暮社長、梨世ちゃん本当におめでとうございます。まさか犀川さんが来るなんて私たちも全く知らなかったんですよ」
「月岡さん、内緒にしててごめんなさい、へへ」
「僕たち、特大号のときより良かったですか?」
「もちろんですよ、それにお色直しのときのドレスも……本当に素晴らしかった」
「ありがとうございます」
「尚くんがオリジナルで作ってくれたんです! だから世界に1枚しかないんです!」
「あら、そうなんですね」
こうして、大切な人たちと会話をすることで、益々周りのありがたみを感じるの。
最初のコメントを投稿しよう!