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――……
あれから、早いもので2年が経った。
私は相変わらず撮影で忙しくしていて、尚くんも社長業を頑張っている。
なんと私のファンブックは、奈緒ちゃんの売り上げを越してしまって歴代女性モデルの単独写真集で一番となったようで、2年経った今でも、本屋さんに並べられるくらいには有名になれたみたいなの。
「にゃお~」
「まなー、パパのことはパパって呼ぼうねー」
「……僕……息子にまで猫扱いされてる」
「にゃお、かぁみ!」
「まな、パパは今お仕事してるから、ママと鏡で遊ぼうね」
「ママ、かぁみ!」
単語を少し話せるくらいまで成長したまなは鏡が大好きで、尚くんがあげたプラスチックのおもちゃの鏡をぶんぶん振り回したり、覗いたり、ぬいぐるみを映したりして遊んでる。
私と尚くんのこどもだな、とつくづく思うの。
そしてその横顔が、ふとしたときにやっぱり尚くんに似ているの。
それだけでまた、幸せな気分になるよ。
「めたもう、もも!」
「こら、まな鏡投げちゃダメでしょー!」
本物の猫2匹とも、仲良くしていて微笑ましいな。
リビングでパソコンを開く尚くんにコーヒーを、カーペットの上で猫と遊んでるまなに野菜ジュースをあげた。
「梨世ちゃん、もう少しで一段落つきそうだから今日は晴れてるし公園にでも行こっか」
「いいの?」
「うん、真凪も外で遊びたいだろうし、僕も可愛い妻と息子をお休みの日にほっときたくないもん」
「ありがとう、尚くん。まな、パパが公園連れてってくれるって! お着替えしよ、こないだ蘭華さんにもらった可愛いくっく履いてこ!」
「こーえん!」
なんだか嬉しいな。
こうして、3人でゆっくりと出掛けられること。
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