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「くっく!」
「そう、お星さまキラキラついてて可愛いね」
「かぁーいーねー」
「梨世ちゃん、お待たせ」
「尚くん、ありがとう、水筒とちょっとしたまなのおやつも持ったし行こっか」
すぐ近くにある公園へ、ちょっとしたピクニックをするような気持ちで出掛けた私たちを、初夏の暖かい日差しが照らしている。
私と尚くんの真ん中で、手を繋がれておぼつかない足取りで頑張って歩くまなが可愛くてしょうがないや。
「ほら、真凪!」
「!」
すると尚くんがまなを抱えて頭の上にひょいと持ち上げ、肩車をしてくれた。
最初は驚いてたけど、すぐにきゃっきゃと笑顔になるまなと、ちゃんとパパしてる尚くんがすごく微笑ましくて私はとなりを幸せな気持ちになりながら並んで歩くの。
「こらっ、パパの髪引っ張らないの~」
「ぱーぱ」
「!」
「梨世ちゃん……真凪、今、僕のこと……パパって呼んでくれた?」
「うん! 呼んでたよ!」
「……ふふ」
この光景を、今すぐにでも切り取りたくて……私はひそかに持ってきた奈緒ちゃんのカメラを手に持った。
「あ、梨世ちゃんそれ持ってきたの?」
「うん、撮りたくて」
「じゃあここをこうやって合わせて、レンズはこうね」
一瞬にしてプロになった尚くんが調整をしてくれて、カメラを私に預けてくれた。
「尚くん、まな、撮るよー!!!」
――パシャっ………………
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