Epilogue

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空を仰ぐと、どこまでも広がる青だった。 私の押したシャッターは、その青まで切り取った。 その青は未来を映す色だった。 「尚くん!」 「なぁに?」 「愛してるよ、ずーっと、ずっと!」 「僕もだよ!」 子どもみたいに緑の葉っぱの上ではしゃいだ。 自然の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、今日もまた、生きていることに感謝した。 「ママ、ちょうちょ!」 「うわぁっ」 「あははっ、梨世ちゃんめちゃびびってる」 「ママ、ちょうちょ」 「く、くれるの? ママ虫触れないなー……」 「真凪、パパにそれちょーだい」 「あい!」 まなが掴んでいた白い蝶々が、手を離した途端尚くんの頭に止まった。 「ふ、ふふ……ふふふ」 「……尚くん、どうしたの」 「梨世ちゃんの指輪のモチーフが僕の髪飾りに……」 「へ」 そこを繋げてくるとは思わなくて間抜けな声を出してしまう私と、靴を泥だらけにしてその場で遊び続けるまな。 そして……どこまでも相変わらずな、尚くん。 「……梨世」 「ん?」 「……今日も、綺麗だね」 「!」 これからも、きっとこの人に溺れるような恋をし続け、そしてそれは愛になり続ける。 照れながらもそう確信した私に、最愛の彼がくれた小さく触れるだけの優しいキスは、 キラキラ輝く彼のシルバーを照らす、あったかい太陽の味がした―― 【了】 ※長い間ありがとうございました。 次のページより、絵とあとがきがございます。
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