1 幸せな日常

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「はい、尚くん、出来たよ」 「ふふ、今日も最高に美味しそう」 おはようございます。木暮梨世です。 21歳で、もうすぐ22歳になります。 職業は、Jupiter プロダクション所属のモデルで、 そこの社長である、今私の目の前でもぐもぐとフレンチトーストを美味しそうに頬張る男性は、木暮尚と言って、先日結婚したばかりの私の世界で一番大好きな旦那さまです。 そして、私のお腹の中には……新しい命がゆっくりゆっくり、育っています。 「美味しい、梨世ちゃん、僕ね、明日世界が滅びるなら最後の晩餐にこれを食べたい」 「うん、50回くらい言ってるね」 「ふふ」 そしてね、私の旦那さまはこの通り、ちょっと……いや、かなり、変な人なの。 ――パシャっ 「今日も可愛いよ、梨世ちゃん」 「ねぇ、恥ずかしいからもうやめない?」 「やめてなんてあげない」 「むぅ」 結局、妊娠がわかった日から尚くんは大好きなカメラで私のお腹を毎日毎日撮りまくる。 「梨世ちゃん、僕ね、写真をシャッフルしても何日目の写真だか全部わかる自信があるよ」 「そ、そっか!」 どうしよう、それは怖すぎてやばい。 「ごちそうさまでした! 美味しかったぁ!」 「良かった、ありがとう尚くん」 美味しそうに平らげた尚くんがすごく可愛くてなんて幸せな朝なんだろうと、日々噛み締めるの。 大好きよ、尚くん。
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