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畳の上に布団を敷いて、脱がせた浴衣を着せてあげる。
行灯のような柔らかい灯りの中で見る梨世ちゃんもなかなか甲乙つけがたい可愛さで悶える。
和風梨世ちゃん。くうぅ。萌える。
「……尚くん、幸せなお誕生日をありがとう」
「ふふ、どういたしまして」
へとへとのカラダを僕に預けて、力なく笑うキミは僕のすべてなんだよ。
「ねぇ、尚くん……?」
「ん?」
「また、連れてきてね」
「もちろん」
宇宙とか、銀河とか、広いこの世界で。
日本に産まれて東京に産まれて、出会う確率なんて。
やっぱり、奇跡的で運命としか言えないね。
「尚くんの妻になれて、良かった」
「……梨世ちゃん……」
お互いを強く抱き締めて、良い手触りのお布団に埋もれて、眠りにつく。
彼女の寝息の音が、僕に生きている実感を与えてくれる。
キミはどんなママになるんだろう。
僕は、ちゃんとパパになれるかな。
親って……どうすればいいのかな?
蘭華さんみたいに、すればいいのかな。
考えれば考えるほど不安は尽きないけれど、この腕の中にいるキミの寝顔を見ていると、少し、安心できるから。
だから、僕は誓うよ。
誰にも、この幸せを奪わせないって。
向かってくるものには、ちゃんと戦うって。
もう僕がキミにたくさん助けてもらって、守られているだけじゃダメだね。
キミを、一生守るよ。
大好きな梨世ちゃん。
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