ラブレターの秘密

13/15
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
 それから数日、通子は図書室に姿を見せず、何の音沙汰も無かった。  晴樹は完全に目の濁った半死人としてその数日を過ごした。その変わり様は顧問の教師はおろか、クラスメイトや他の委員まで慌てだす始末で、中には昼休みのカウンター番を変わろうかと言ってくる者もいたほど。 「いや、俺がいないと……」  晴樹はそう返事して、弱々しく笑うのだった。  そして間もなく十日が過ぎようとした日のこと。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!