A memory of memory

スーツの男

「…持ってたら、あの人気付いて電話かけて来るんじゃない？」
「まぁ…ありそうな話しではあるけど…」

プルルルル…
　　ルルルル……

「うわぁっ！」
「わぁっ！？」

突然鳴りだした携帯に香織は驚き優香はそんな香織に驚いて携帯を取り落とした。
鳴り続ける携帯に二人は顔を見合わせ、香織が拾い上げる。

携帯を開くとディスプレイには「依頼人」の文字が映し出されていた。

「…香織の言うことが本当に思えて来た…依頼人て…スパイじゃん」
「もしも～し」

優香が呟いている間に香織は躊躇いなく通話ボタンを押して携帯に耳をあてた。