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「私ね、あの彼氏が現地の子供の写真を撮る気持ち分かるよ。
彼自体の幼少期の写真が無いか少ないんだと思う。
私は3人兄妹で末っ子だから写真なんて行事のしかないもん。
だから私も向こうで子供の写真をいっぱい撮ってるよ」
真っ赤な口紅をした千春が喋るのをマナは見つめていた。
「ふふ、口紅が派手だなって思ってるんでしょ?
これが赤よ。
主人公が彼氏に施してもらった色。
本当はマゼンタだけど、作者は分かっててワザと赤って書いたんだと思う。
赤の口紅だったら朱色になるけど、マゼンタより想像しやすいから。
ねっ、マナ!
音だけじゃないでしょ。
色も見えるの。
彼氏が見た戦地やモンゴルの空の色も、離れて暮らす2人が見た月の色も……
それから聞こえない声まで聞こえるの。
無言電話なのに、愛してると囁いてるって……」
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