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「もちろん!
“神様は与えられたチャンスに乗っかってくる人間が好き”って。
スポンサーが見つかったら何度でも行くわ」
それはガリガリに痩せこけた千春から発せられた言葉とはとても思えなかった。
「それって竜崎の言葉?」
「さぁ、どうかな。ネタバレはしない主義なの。
あの小説なのは正解だけどね」
千春はヒントだけではぐらかした。
「また行くんだ。寂しくなるね」
マナの瞳がすぅっと陰った。
「大丈夫、SNSがあるから向こうに行ったらまた発信するし。
今回は色々重なって食べられなくなっちゃったけど。
とりあえず家に帰って体力をつけるわ。
こう見えて、サソリだって殺せるんだから」
千春にサソリと言われて、本当に今まで東南アジアで生活をし、そしてその生活は決して楽ではないことをマナは悟った。
頭上からアナウンスが流れてきた。
「もう行くね。
いっぱい、ありがとう!」
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