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「お前の叔父にしてラスイデア、しいてはこの国においての害虫、人間の屑だ」
なんか凄く嫌われているなこの人。何したんだよ。
「こいつはな、俺の兄に当たる。俺はネルの方に婿養子として・・・まあ分からないか。とにかくこいつは継いだ親の権力で様々な悪事を揉み消して好き勝手に我儘を働いてきたこの国の汚泥だ。こんな人間になってはいけないぞ、コウ」
父さんにここまで言わせるとかほんと何したんだこの人。
「はっはっは。そんなこと言っていいのか?お前みたいな出来損ないなぞ簡単に潰せるんだぜ?」
「この子やネルに手を出してみろ。お前を殺す」
「ははは。こやつめ」
その瞬間叔父と呼ばれる男から殺気に似た何かよくわからない圧力が掛かってきた。
父さんは殺気の籠もった目で睨み返している。
この世界って命が軽いから殺気とか割と普通に分かる様になるんだよな。わかりたくなかった。
とりあえず険悪な関係なのだということはよくわかったので俺は黙っておこうと思う。
しかしこのままだとここで殺し合いをしそうで困る。
「おいおい険悪な雰囲気だな。どうしたんだ?お前ら」
どうしようか考えている時、さらなる人物が俺のいる部屋に入ってきた。
その人物は去年王城に連れてかれた時に見たことのある顔だった。
「・・・王」
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