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(もしや、転生というやつか?わしは別に神仏も輪廻天生も信仰していた記憶は無いんじゃがな)
そしてわしが泣き叫んだ事で満足したのか俺はタオルに包まれた後、婆さんから美少女に手渡された。
「はぁっ、はぁっ。・・・ふぅ。あなたが・・・私の赤ちゃん。・・・私の、愛しい子」
正直いって言葉はわからなかったが、何を言っているのかは理解できた。優しい目で俺を見る少女の表情は微笑んでいる。
(優しそうな人だ)
少女は俺の額や瞳に軽くキスすると、大切なものを扱うかのように抱きしめられた。
その心地良さや安心感に、懐かしさを覚えて体を預けようとした時、嫌な予感がした。過去、転生したため前世で、最後に自分の死期を予感させたものと同じ感覚がしたのだ。
ハッとして眠気を殺して少女を見る。胸に押し付けられて感じていた心臓の鼓動が小さくなっており、呼吸が浅くなっているのを感じてしまった。
(早速、母親が死ぬ!?冗談じゃ無いぞ!?)
「おぎゃあッ!おぎゃあッ!おぎゃああぁぁぁあああ」
赤子が生まれた事で緊張を解いた婆さんに気づかせるために、大声で泣きまくる。
何とも態とらしい泣き方だか、構わない。老婆はこちらを見て次に少女の異変に気付いたようだ。
「ッ、大変!」
婆さんはすぐに部屋を出て走って行き、誰かを呼びにいったようだ。
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