ある手紙

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古いアルバムを見つけた。 部屋の一角、タンスの中から、それを見つけた。 本来、違うものを捜していたはずなのに、何故かそれが見つかった。 「ま、いっか」 俺はそれを持って、ベッドに座った。 パラっと捲る。 懐かしい写真がいっぱいだ。 ――彼女はどうしているだろうか。 そんな事が不意に頭を過ったが、今は関係ない。 別れたんだから。 すると、何かが挟まっていた。 「!」 俺は走り出す。 無我夢中に、走った。 何を考えていたのか、俺は俺が分からなかった。 手には“それ”が握られていた。 それとは、手紙だった。 手紙はクシャっと手の中で丸まっていた。 もう、古い手紙だ。古ぼけて、字が擦れてあまり読めなくなっていた。 それでも、それは大切で、俺にとって宝物だった。 手紙を手の中で丸めたまま、ある場所で立ち止まった。 肩で息をし、呼吸を整える。 殺風景で、辺りは柳の木と、墓が均一に並んでいた。 ここは墓地。 俺の掛け替えの無い彼女の眠るベッド。 「め、めぐみ……俺、忘れてないから、いや……思い出したんだ……」 彼女の眠るベッドの前で、俺は膝から崩れ落ち、雫が滴った。 顔を上げてみると、彼女が笑って微笑んでいた。 手紙の内容は。
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