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私は自分が卒業した際にもらった本である卒業アルバムを持って職員室にいる。
前で校長先生が卒業アルバムについて前年同様に話している。
「……というわけで今年も卒業アルバムはSNSを活用して作り上げることにしましょうかね。誰か質問等はありますかね?」
彼は語尾に「かね」という口癖がある。彼に対して言いたいことがあったので、私は手を挙げた。
「また君かね。アルバムはSNSにしてよかっただろうと思わんかね?ん、君が持っているそれは何かね?」
私は卒業アルバムが本からSNSに変わった年から何度か校長たちに話をしてきた。その度同様に校長の横に歩く。横に着くと背中から滝のように流れる冷や汗を感じた。
「はい。こちらは私の卒業した時のアルバムです」
そのアルバムを開いた。その時、白い手紙が一枚落ちた。その手紙には見覚えがある。
「それがどうしたかね?金がかかるから安い方がよかろうと思わんかね?まぁ、君が物を申したいならもっと偉くならなくてはいけないと思うかね。さぁ、みんな解散かね」
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