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彼はそう言って私が落とした白い手紙を足で踏んだ。その白い手紙に足跡が地味に残る。私はそれを拾い上げる。気が付くと、他の先生たちはみんな自分の机に戻るか、それぞれの教室に行っていた。私は自分の机に戻り、廊下や階段を歩いて三年生の教室に着く。そしていつも通りの朝のホームルームを行なった。その年はいつも通りSNSで卒業アルバムを作り上げていた。いつかデータが消える日が来るのは目に見えていた。
しばらくしたある日、あの時落とした白い手紙のことを思い出しました。白い手紙の内容はすっかり忘れてました。そこで実際に読んで見ると、当時のことを思い出して涙を流してしまいました。その白い手紙は私にとって大事なものだったからです。一人の女性と初恋をして……初めて別れたことを書き示す手紙だったからです。
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