87人が本棚に入れています
本棚に追加
/177ページ
「彼、自分が殺した死体の、写真を撮っていました」
「写真? そりゃまたなんで」
「さぁ……ええと、確か、本人は――思い出作り、とか言っていましたけれど……」
「……死体の、写真撮影、ね。悪趣味だな」
呟いて、ギルド長は近くにあった用紙を取り、ペンを用いて記入していく。先程の情報を記録しているのだろう。
「……まあ、情報としてはそんなところかな。ありがとう。日付が変わる前に、各ギルドに通知を入れておくよ」
「お願いしますね」
その言葉を最後に、アマリリスはギルド長室を退出する。
それを見届けた後、ギルド長は額を抑えた。
(……四人目の橙色、か。ただでさえ、経営に悩む毎日だって言うのに……これまた厄介なのが来たもんだ)
「……とりあえず、資料纏めちゃおう」
仕事が増えたことに嘆きながらも、彼はペンを振るう。
ギルド長として、仕事を全うするのは彼にとっての責務であり、半ば生きがいともなりかけていた。
最初のコメントを投稿しよう!