ゲームスタート

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少年の頭の中には、これまで遊んできた色々なゲームのイメージが流れる。 勇者、魔王、魔法、スキル、武器、レベル、お金、経験値、パーティ、チェックポイント、落下、協力、敵対、侵入、ノーデス、縛りプレイ、難易度、PvP、NPC、ダンジョン、洞窟、王女、モンスター、ギルド、謎解き、妖精、ほこら、ランダム、巻き戻し、バタフライエフェクト、確率、幸運、HP、MP、火力、タンク、ヒーラー、回線、ラグ、ビルド、育成、再生、大会、円盤石、カセット、ソフト、ゲーム機、据え置き、携帯型、スマートフォン、充電器、DLC、強化、生産、鍛冶、アイテム、宿屋、自由度、産廃、強武器、厨武器、バランス調整、FPS、TPS、リフレックスサイト、サプレッサー、マズルブレーキ、グレネード、ステルス、ヘッドショット、アクション、死、ゲームオーバー、アップデート、ゾンビ、銃、ハーブ、調合、ホラー、警察、精神世界、狂気、ゴア表現、チェーンソー、金庫、篝火、騎士、デーモン、闇、巨人、エルフ、吸血鬼、ドワーフ、アビリティポイント、ボス、怪物退治、銀の剣、鋼の剣、掲示板、超能力、ターン制、アクションポイント、移動力、ヘイスト、バフ、エンチャント、幻想的、抽象的、隠しコマンド、オープンワールド、30fps、60fps――あらゆる単語が駆け巡る。 よく解らない。 それが、白文字の単語に対する少年の率直な思いだった。そもそも、こんな訳の判らない状況で、ただ『ゲームスタート?』とだけ書かれていても、なんとも言えない。 ――昔のゲーム風に、はい / いいえ、で、答えれば良いのだろうか。ならば、自分はどちらを選ぶべきなのだろう。 そして、少年は深い考えもなしに、頭の中で頷いた。この状況が夢であれ現実であれ、頷いたほうがより面白いことになりそうだと思ったのだ。ただそれだけの理由だった。 ――瞬間、暗闇のどこかで、ぴろりんっ、と言う軽快な電子音が鳴った。そして文字は一瞬で崩れ、再度構築される。 『プレイヤーIDを設定してください(ローマ字/文字制限なし)』 ――なんだかオンラインゲームみたいだな。と、少年は思った。あるいは何かのウェブサービスに登録するときのようだ。 ならば、と、少年は自身がよく使うIDを入力する。 『ID重複チェック中……【Sazanka】は使用可能なIDです。決定しますか?』
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