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玄関を出た佳乃は何処までも高い空を見上げた。
今朝の情報番組では今日も真夏日になると、女性の気象予報士が笑顔で言っていた。
薄い色水を溶かしたような空はとても高くて清々しい。
あまりにも清々しくて、寂しい。
「あら佳乃ちゃんおはよう! そんな格好でどこ行くの?」
表を掃いていたお向かいのおばさんが、佳乃の喪服姿を見て声をかけてきた。
「ちょっとね。知り合いの法事に行ってくるの。行ってきます」
おばさんに佳乃は軽く手を振って、詮索する目を断ち切るように足早に去った。
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