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【1】
いつもよりほんの少し早起きをして支度を整える。
長い髪は黒のゴムで高い位置に一つにまとめ、制服の赤いネクタイをきちんと締めて紺色のブレザーを羽織る。
胸にあるのは学年クラスを示す2-4のバッチそしてもう一つが『生徒会会長』を示す特別なデザインの校章。鏡に映る自分を見ておかしなところがないかチェックして鞄を持って家を出た。
「おはよー、新会長の萌さーん♪」
「すっごいバカにしてる」
「ひひひ!バレバレだったか~」
生徒会選挙があったのは先週のこと。
去年は生徒会で書記を務めており今年も立候補した。そして一番票を獲得して生徒会長の座に就いた。
やっぱり書記と会長じゃかかってくるプレッシャーが違う。なにより前会長の石井真紀先輩は指示を的確にだし人をまとめるのも動かすのもとてもうまく優秀な生徒会長の鑑とも言っていい。
次に就いた私はどこまでできるのか、実は不安。
「でも萌は色々気が付くしいい会長になるよ、これ本音」
「いい会長ねえ」
「あんなに票数獲得したんだよ?自信持ちなさい!」
「ありがと。私なりにがむしゃらに頑張ってみるよ」
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