第1章 異世界転生

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俺は起きたばかりで、眠たくもないし、する事もないので、屋敷を探索する事にした。 俺は扉の前に立って、ふと違和感に気づいた。 現時刻は午後の四時。すると、太陽は西に傾く。だが、影が殆どなく、違和感を感じた。 「太陽の位置が違う?」 そう思って、太陽を覗き込もうと窓の方へ歩いて行くと、日向に差し掛かった時、服が燃えた。 「!?」 俺は咄嗟に身を引き、火を消そうとした。 だが、火はそこにはなく、焦げたような跡もなかった。 「な、なんだよ。これ…」 人間心理学では、人は思い込めば真水でも火傷をするというが、これは幻覚でそれこそ、思い込みなのだろうか。 奥にクローゼットがあったため、着替えることにした。 そこにはタキシードやスーツ、俺の普段着が入っており、服の下に、 "入学式はスーツでいらしてください。" と書かれていたメモが置かれていた。 入学式はまだだが、この屋敷に普段着で散策するわけにもいかないので、スーツに着替えた。 汚さないようにしなければ… そんなことを考えていると、ふとベッドの横に、黒い何かが置いてあるのを発見した。 「なんだこれ?」 目を凝らして見ると、それはれっきとしたモーニングスターだった。 と言っても、球の半径がおおよそ20cmくらいあるもので、持ち手が圧倒的に小さく見えた。     
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