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僕は、一生懸命お母さんに言った。
「本当だよ! 本当におばあちゃんがいるんだよ!」
お母さんは困ったように眉をしかめた。
「またそんな事を言って……仲良しだったおばあちゃんがなくなってさみしいのは分かるけど。そんなこと、よその人に言っちゃだめよ。おかしな人だと思われるから」
「でも……」
僕は部屋の隅に座ったおばあちゃんに目をやった。おばあちゃんは悲しそうな顔でこっちを見ている。
どういうわけか、お母さんにはおばあちゃんの事が急に見えなくなったみたいだ。
半年くらい前、たくさん黒い服を着た人がきて、部屋に白い大きな箱が置かれたあの日から。
「あっくん、いいんだよ。おばあちゃんは分かっているから」
おばあちゃんは悲しそうな声でいった。
「でも、おばあちゃんかわいそうだよ。ごはんだって仏壇に持っていって、皆と一緒にキッチンで食べないし……」
僕の言葉におばあちゃんはぽろぽろと涙を流しながら「いいんだよ」首を振った。
「あっくん、いい加減にしなさいよ」
お母さんが怖い顔をして言ったので、僕はもう何も言えなくなってしまいました。
(まったく、あのババア、しぶといったらありゃしない)
ユカはベッドに入りながら唇をかんだ。
急な病気で死んだ夫の葬式を挙げて、もう半年になる。
家に、私と今まで一度だって気があったことのない姑が残された。さっさといい男を捕まえて再婚したいのに、世間体があるから、姑を捨てていけない。そもそも姑に何も復讐することなく去るのも腹が立つ。
重度のストレスは体に悪いはずだ。だから徹底的に無視をしているのに、狂いも死にもしないとはしぶといことだ。
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