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夏。 寒いのは嫌いだけど、暑い方がマシ。 と言っても、私はエアコンの効いた部屋から出ないけど。 おい馬鹿、お前がそこに居ると風が来ないだろ。 と、後ろから声がする。 この、私を馬鹿呼ばわりする男も、暑さには弱いようで。 全く、仕方ないなぁ。 仕方なく、風の射線を空ける。 こうすれば、この男は静かになる。 曰く、 暑いとただでさえ体力消耗するんだから、喋って余計に体力を消耗させんな。 だそうだ。 その言葉通り、大人しくアイスを齧っている。 夏場は静かで好きだ。主にこの男が。 男が立ち上がる。 アイスを食べ終わったのだろう。 冷蔵庫へ向かい、また新しいアイスを持ってくる。 起きてからずっとこんな調子だ。 暇さえあればアイスを齧っている。 アイスばっか食べて、お腹壊さないでよ。 そう言うと。 アイスでも食ってねぇと俺が溶けるし、今まで腹壊した事はねぇから大丈夫だ。 溶けないし、保証はないんだけど。 こんな調子で、来年の夏も過ぎていくのだろうか。
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