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愛写に写ったのは、不気味な女性に抱かれるイケメンな男性だった。
まさに一心同体。それほど深い愛なのだろうか。
仔細に観察していると、あることに気づいてしまった。
(うっ……!?)
骨の髄まで凍りついた。
これはけっして相手に見せられない。
「アイシャ先生、それを見せてください」
女性が震える手を差しだして要求する。
「ごめんなさい、なんだか失敗したみたい」
「先生、見せてください」
「ちょっとムリかな」
「見せろ!!」
女性が鬼のように凄んで愛写をひったくった。
「ああっ……」
狼狽して声をあげる私に比べて、女性は無言で食い入るように視線を落としていた。
枯れ枝のように細い指でもつ愛写に。
その指がまるで蛆虫がのたくるように、わなわなと小刻みに震え始めた。
(これはヤバい相手だ!)
私は無意識に後退っていた。
「ほら先生、あたしたちこんなに相性が良いのよ」
恍惚の表情を浮かべながら、口の中でまだ噛んでいる。コリコリコリ。
「お、男なんていくらでもいるじゃない。そんなに執着しなくても」
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