本屋さんとインチキ

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 ゆうなは四年生になってからやけにお金をけちるようになったからだ。  他の子が言うにバイト帰りに外食に誘っても断っているし、休日に遊びで散財しているという話も聞かない。  それを読子は不安がっていた。 「言うと乞食みたいだから言えません」 「そう言われてもねえ、見るからに顔色が悪いじゃない。ちゃんとごはんは食べている?」 「そんな……おかあさんみたいな……」  読子の不安は言ったそばから現実になってしまった。  ゆうなが膝から崩れて椅子にへたりこんだのだ。  慌てて介抱した読子の見立てでは栄養不足からくる過労でゆうなの脈は弱く意識は朦朧としている。  読子は座敷にゆうなを寝かせると、口移しでビタミンの錠剤を飲ませる。 「お客も他の子もいないし、お店は閉めてしまいましょうか」  読子は臨時休業の張り紙を出すと、鰻屋に電話を入れた。  それから一時間ほどであろうか。出前の鰻重が届いて艶やかな匂いを醸し出しているとゆうなは目を覚ます。気絶による睡眠とビタミン剤のおかげかゆうなの顔色は改善していた。 「ちょうどいいところで起きたわね。出前を頼んだからゆうなちゃんにもお裾分けよ」 「鰻重なんて悪いですよ」     
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