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ワタシも立ち上がって
彼をぼんやりと見つめる…
如月ヴィオラ
「あ、シン!また横になって
真面目に防腐剤を塗らなきゃ…!」
伊佐シン
(死人)
「あ、そ…そうだな…」
シンは再びバスタオルの上で横になり
ワタシは彼の足に防腐剤を塗っていく…
今度は真面目にね…
如月ヴィオラ
「うつぶせになって…」
彼は頷いて俯せになり
ワタシは彼の背中や腕に防腐剤を塗る
白骨化した所は塗れないから
腐り落ちてしまった部分に塗る
彼のお尻もまだ、大丈夫みたい…
洗面器に入った防腐剤を全部塗り終わり
彼の肌がどことなく艶々になった気がする!
伊佐シン
(死人)
「ありがとう…ヴィオラ…
君の手…ゴム手袋ごしでも分かるよ
本当に温かいんだね…」
如月ヴィオラ
「えへへ…シンの体…
冷たいけど心地いいわ…♪」
そうしてマッサージがてら
防腐剤を彼の体にぬりたくった
如月ヴィオラ
「あ、シン…ワタシ
お風呂入っちゃうね?」
シンは頷いて寝室に向かった
ワタシは彼の家の湯船を覗く
彼はここで感電して…
頭と体を洗ったワタシは
湯船につかり当時、ここで死んだ
彼のように湯船にもたれかかる…
死ぬときって…どんな感じなんだろう
人は死ぬときとても
気持ちよくなるらしいけど…
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