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やがて戻ってきた姫宮先生は、職員室にいるあたしを見て残念そうにしていた。
教頭先生に頼まれただけではなく、もしかしたらあたしになにか言いたいことがあって探しに出てくれたのかな、と思ったけれど。
──それはたぶん、あたしは聞かなくていいことだと思った。
無実の罪で疑われるなんて冗談じゃないけれど、今日1日だけでどの人が信頼に値する人か、というのがすっかり見えてしまった。
女子高生の狂言にすっかり惑わされ、口には出さずともあたしのことを“男子高校生を相手にする女”という目で見た先生の顔は、とりあえず忘れない。
その中に姫宮先生もいたということも、胸に留めておけばいいだけでどうでもいいことだった。
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