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それにさしてショックを受けずに済んでいるのは、あたしには賢治郎という存在があるからなのだろう。
彼が信頼できる人間だからなのか、それともあたしにとって男だからなのかは、あまり区別がつかなかったけれど。
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
「とりあえず、明日は戻ってもいいって。教頭先生から、相川さんの保護者にも連絡がいったみたいで」
「ふーん、よかったじゃん」
薄暗くなりかけた道端で賢治郎に拾ってもらい、彼の車の助手席に乗り込んでそう話す。
賢治郎はあらかじめこうして丸く収まるであろうと見越していたかのように、動揺も感嘆もなかった。
その横顔を見ながら、この男は本当に癪だな、と思った。
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