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最初は賢治郎がとても失礼なことを口にしてきたと言うのに、近頃はあたしの発言のほうが不躾かも知れない。おかしなものだ。
なんとなく反省しなければいけないような気分になって黙っていると、賢治郎は「着いたぞ」と小さくささやいた。
「あれだ。あの花屋」
「花屋……?」
見ると、賢治郎があごでしゃくった先にフラワーショップのライトが煌々と夜道を照らしていた。
“フラワーショップ笹木”……ここらではちょっとしたチェーンになっている花屋さんだ。
「そろそろ片付け始める時間だから、妹も出てくると思う」
「……! 彼女、ここで働いてるの?」
こくり、とうなずきながら賢治郎は煙草をくわえる。
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