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その時。
目を閉じたことで他の器官が敏感になったからだろうか、己に向けられているいくつかの視線を感じた。
それは、少しだけ開いた襖の外からのもので。
そ知らぬふりをしていれば、何やらぼそぼそと話し出す。
「璃桜のやつ、中にいるのか」
「いるみたいですよね、この平助の反応見てると」
「うるせぇ、ばれたらどうすんだ」
いや、ばれてるよ。
………喧騒でしかない。
キミタチは、もうすぐ壬生浪士組の副長助勤になるんでしょうが。
こんなに気配ダダ漏れにしていたら、どんな敵にも見つかってしまう。
現に、私でも外に誰がいるのか分ってしまったくらい。
さっきとは違った面倒くささによるため息を一つついて、よっこらしょ、と立ち上がる。
「おい、璃桜はなにしてる?」
「ちょっと待ってください、平助、見えないからもっと前行ってよ」
「わ、馬鹿、総司押すな………わぁ!!」
スパーン。
案の定、勢いをつけて開いた扉の先には、
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