第3章 試験

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その問いに、どうしてそんなことを聞くのだろう、と不思議に思う。 私、別に身体弱いなんて言ってないよね? 俯いていた顔を上げて、平ちゃんを目に入れ、じっと見つめながら答えた。 「え、あ、……なんとなく?」 「んだよそれ」 はーっと大きく息を吐きだし、そのまましゃがみ込んだ平ちゃんに、疑問を覚える。 「何で?」 「あー、それは」 純粋に尋ねれば、照れくさそうに言葉をきった平ちゃんの代わりに、どんっと自分の左胸を拳で叩いて左之さんが言った。 「平助はなぁ、璃桜のことが気になって仕方ねぇんだよ」 「え?」 「左之さん!!」 「なんだ? 事実だろーが」 「いやそうだけどさぁ……こう、もうちょっと言いようがあるじゃん…」 恥ずかしそうに頬を染め、手のひらで顔を覆う平ちゃん。 ………なんか、めちゃくちゃ可愛い。 ワンピースとか着せて、お花畑に置きたい。
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