第3章 試験

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気持ちはやっぱり晴れなかったけれど、ほんわかとした想いが胸を温めてくれた。 「本当に、ありがと………」 純粋に、お礼が言いたい。 そう思って口にだした言葉を皮切りに。 「何、璃桜。改まり過ぎでしょ」 「俺たちは何にもしてないしな。ただ、璃桜を見に来ただけ」 「あ、平助、それが本音だな」 「璃桜を見に来た? ちょっと平助、何馬鹿な事言ってるの」 「左之さん! 何言ってんだよ、総司にばれたじゃんか!」 「俺はしーらね、お前が自分で言ったんだろ」 「へー? 心配したって言ったのはどこの誰だったっけ?」 「いやぁ、勿論心配で、だよ! おおおい、総司、顔がこえぇよ」 何故だか、言い合いが始まる。 それによって再び喧騒に包まれた縁側。 それでも、その喧騒はさっきまでと違って面倒くさいだなんて感じさせないほど、とても面白くて、楽しくて。 真っ青で、柔らかく雲を浮かべている空だけが、私たちを見下ろしていた。 その柔らかさが、私にも伝染したかのように。
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