第3章 試験

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気が付けば、くすくすと、笑っていた。 「やっと笑った」 「璃桜、笑ってた方がいいよ」 「女子は笑顔が一番だな」 にこりと笑いかけてくれる3人の言葉に、一気にかぁっと頬が熱くなる。 「………私、男ですよ?」 照れ隠しに、そんなことを言って下を向いた。 そんな私の頭にぐっと体重を乗せてくるそうちゃん。 ぐぇ、と声を出せば、色気無いなー、と笑われた。 周りの二人も、楽しそうに笑っていて。 笑い声が、中庭に響いた。 「璃桜、元気出して」 そうちゃんがいて。 平ちゃんがいて。 左之さんがいて。 まるで、昔から一緒にいたかのように、居心地の良い空間に。 …………家族って、こんな感じだったっけ。 ほほ笑みながら、ふと、そう思った。 その後。 何故かそうちゃんにいじられ続け、他の2人に笑われる私を助けてくれたのは、源さんだった。
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