第4章 存在意義

1/42
前へ
/382ページ
次へ

第4章 存在意義

そして、そのあと。 意外と、源さんは、人を調子に乗らせて使うことがうまいことが判明した。 源さんってば、私が少し物を刻んだり、煮たりするだけでもかなり大げさに褒めてくれるんだもの。 そりゃ、いい気になるじゃない。 昼餉の後に、そうちゃんと平ちゃんに稽古場に連れて行かれて、ゆるい遊びのような手合せをしたり。 山南さんに連れられて、八木さん一家に、挨拶に行ったり。 息子たちの秀二郎、為三郎、勇之介に捕まって、初対面なのに少しだけ一緒に遊んだり。 新八さんと、左之さんに、お酒の話をされたり。 不思議と、歳三と水戸派の人には会わなかったけれど。 そんなこんなで、あっという間に一日が過ぎて、気が付けば、夕方になっていた。 夕餉の準備を手伝おうと、台所へ向かう途中。 「璃桜~!! 俺もやる!!」 「へ、平ちゃん? うわ」 がばりと抱きつかれ(もはや、タックルを受け)て、受け止めきれずによろけた。
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

301人が本棚に入れています
本棚に追加