第4章 存在意義

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「ふぅ……」 漸く、夕餉の形が見えてきた。 「あとは、これを刻めば終わりだよ。ご苦労様」 「よっしゃー、疲れたー」 ふーっと大きな息と共に声を上げた疲労困憊の平ちゃんを見て、あとは私がやるか、そう思った。 「平ちゃん、源さん、あとは私でも出来るので、いいですよ」 「本当かい、璃桜さん」 「え、いいの?」 驚く二人に、ニコリ笑って言う。 「むしろ、楽しいですから」 純粋に、それもあるけれど。 居場所を与えてくれたからには、早く仕事が沢山出来るようになりたい、そう思ったから。 「璃桜さんがそう言ってくれているんだ、私たちは皆を広間に集めよう」 「おーし、待ってるぞ、璃桜」 そう言ってでていく二人を見送って、包丁を手に取る。 あとは、漬物を刻むだけ。 そう思って、タンっとまな板に下した時。 「いっ…………!」 やってしまった。 調子に乗って、注意力散漫になっていたのが原因だろう。 案の定、わりと深めに指を切った。 じわりと滲む、赤い血に、脳みそが停止する。 え、ティッシュ。 絆創膏は? ……………ないないないない、そんなのこの時代にない。 え、どうしよ。 消毒液とかも、ないのかな。 そんな間にも、真っ赤な血はたらたらと傷口を乗り越えて流れ出す。 それに伴って、ずきずきと痛みが走る。 思考停止状態の私に、突然後ろから声がかかった。
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