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「……………頼むから、止めろよ」
落とされた言葉に、疑問を覚える。
「は……………?」
「俺に黙って、勝手なことすんなよ」
「え、で、でも私は、」
言いかけた反論は、最後まで発されることはなく。
歳三の言葉が、時を止めた。
「………俺が、困んだよ」
「…………え?」
どういうことか、何も掴めない。
私の行動で、どうして、歳三が困ることがあるの?
原因の歳三は、不思議に思う気持ちを抱えて目を白黒させる私に、そっと手を伸ばす。
そのまま、当然のように頭にのった大きな掌の熱に、鼓動が急に存在を主張し出す。
ゆるりとその熱が離れた後も、おさまることはなく。
だって、そんなの、まるで。
「じゃ、先行く。お前もさっさと来いよ、揃ってから飯食うかんな」
「ちょ、待って………」
そんな声も聞こえていないかのように、彼は背を向けて去って行った。
その後ろ姿に。
心が押さえきれなくて、ぽつりとつぶやきが漏れる。
「優しくなんて、しないでよ…………」
どうせ、私のことなんてどうでもよい癖に。
変にかかわらないでと、思う。
心の奥底で、何故だか。
歳三に、認められていたいと………あまつさえ、大切に思われていたいと。
…………期待してしまう自分がいるから。
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