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プロローグ ~栄冠~
照りつける太陽、したたる汗、包み込む熱気が球場全体のボルテージをさらに上げる。
まさに小学生の甲子園、新宮球場で行われている全日本児童軟式野球大会。
今日は日本でナンバーワンの小学生チームが決まる決勝戦である。
梁汰(やなた)ビクトリー(群馬)vsリトル浪速(大阪)の一戦。
6回の攻防が終わって3-3、7回の表、リトル浪速の攻撃は3番キャッチャーの御友浩平(みとも こうへい)から。
マウンド上には長身細身の山科真二郎(やましな しんじろう)応援席からは声を枯らさんと言わんばかりの大声援。
少し垂れ目がちで身長こそは大きくないががっしりとした筋肉質系の体格をしている御友は今大会で六割八分七厘と当たりに当たっている。
ピッチャー山科振りかぶって第1球を投じ外角高めに外れボール、御友はくるくるとバットを回しピッチャーを一瞥。
そしてバットを背負うような大きなフォームで次の投球を待つ。
2球目はインサイドに鋭い直球。
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