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これより音声記録を開始する。
私は第二次救助隊のメンバーである。
我々は今、南極点付近に設置した基地にいる。
基地との連絡が途絶えて、すでに半年が経過している。先行した第一次救助隊との連絡は一切取れていない。
猛吹雪のせいで飛べず、今になってようやく来られた。
皆、生きていると願いたい。
食料の貯蓄は充分にあるだろうから、その点は心配していないが……一体、なにが起きたというのか。
外に通じる扉が全開になっていた。猛吹雪のせいか、壊れてしまっている。
そばには凍りついた死体が横たわっていた。服装から、第一次救助隊の一人だと思われる。まるで扉を開け放つようにして倒れていた。
やはり、なにかトラブルが起きたようだ。
錯乱でもしたのか?
まさか、自殺か……?
基地内は外気温とほぼ同じ状態で、ひどい有り様だ。あちらこちらに死体が横たわっている。無論、凍った死体だ。
ざっと見た限り、基地に元々いたメンバーに、第一次救助隊のメンバー。ほぼ全員が死んでいる。死因は凍死かと思われたが、一部違う。銃で撃たれた痕がある。壁にも無数の穴が開いている。
殺し合いでもしたらしいが、何故だ……?
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