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学校の友達?ということは、前園さん達ということだろうか。
日向の友達というのだから、きっとあれだ、私が関わりたくない人達が来るだろう。
それなのに、屋上へ行くということは。
「会いたくないの?」
「あー……まぁそうなるよな」
会いたくないんかいっ!
日向のことだから、喜ぶのかと思ったが違ったみたいだ。
「だから逃げようって思うんだ。何でか会ってはいけないような感じが俺には分かる」
「なんじゃそりゃ。でも、分かんないじゃんか。友達だったんだから」
日向はおもいっきりため息をついて、頭を手に置き、困っているような仕草をとった。
「向こうは俺のことを知っているだろうけど、俺からしたら赤の他人な訳で。だから、どう接していいか分かんないんだよ」
多分本音だろうか。
確かに、日向からしたら前園さんとかは赤の他人に過ぎない。
それが理由で会いたくないのか…。
日向はこっちを向いたあと、私の手を掴んだ。
そして、また顔が近いっ!
「だからさ、逃げようぜ。この際屋上じゃなくても良いから」
「逃げる気満々じゃん…」
「そうだけど?」
日向はそのまま私を引っ張って、どこかに行こうとしていたが、私は壁にまだ了承の返事をしていないので、進もうとしている日向の服の裾を、掴まれていない手で掴んだ。
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