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「ん?何?」
「私まだ、行くとは行っていないんだけど」
私はあえてムスッとした態度をとった。
あまりこういう態度はとったことがないのだが、効くと思ってやってみた。変な顔になっていないか不安だが。
日向はクスッと笑ったあと、素直じゃないなー平松さんはと言った。
何が素直じゃないだ、これが素直だっつーの。
「じゃあ、強制ということで」
「え」
「拒否権は一切認めない」
「ちょっ」
日向は無理矢理私を連れ出そうとした。
流石に、そこまで抵抗する気力はなかったのでされるがままになってしまった。
されるがままついていくと、病院の中庭についた。
ベンチがあり、なんだか学校のように思えてしまった。
「やっぱり、外って気持ちいいよな。出て正解」
「出て良かったの?後で、その人達に何て言われても知らないからね」
「その時は、平松さんも共犯ですって言おうかな」
日向の口からは、とんでもない言葉を聞いてしまった。
そんなことしたら、私の学校での立場が変わってしまう。
あの日向慧と仲が良いだなんて、クラスに知れわたりでもしたら前園さん達が黙ってはいないだろう。
それは断じて止めてほしい。
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