シンクロ

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 僕はまだ顔がシワクチャで、猿みたいな顔をしているのがとてもおかしかった。  その後も、何ページかは僕の物心が付いていない赤ちゃんの写真が続き、それを眺めていた。 ◆  すると何ページ目かで、僕が物心を付き始めた頃の写真になった。  時期的には、幼稚園に入るちょっと前辺りの写真だと思う。  その時の僕の写真。正確には、当時の僕の目を見つめた時、それは起こった。  僕の目から、突然ボロボロと涙が止まらなくなっていたんだ。  どうしたんだろう?どうして僕は泣いているんだろう?  一瞬不思議に思ったが、しかし僕はそれが何故なのか、すぐに解った。  当時の僕の心と、今の僕の心が、シンクロしたんだ。  もう10何年も前の僕の写真だけれども、そこに写っている子供は紛れもなく僕な訳で、写真の目を見た時、その時の自分の気持ちが、全てシンクロして、全てを悟ったんだ。  写真の僕は、とっても素敵な笑顔をしていた。その時の僕には、悲しい要素なんて何もないのに、僕はうぉんうぉんと声を出して泣いてしまった。  悲しいのは笑顔の彼じゃない。彼のような奇麗な心を持てなくなってしまった、自分に悲しくなってしまったんだと解った。     
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