轟の大太鼓

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轟の大太鼓

 日本の首都、東京都が、まだ武蔵国(むさしのくに)と呼ばれていた時代。  嘗て武蔵国の国府(現在でいう県庁所在地)が置かれていた街、府中市にある大國魂神社では、武蔵国最大の祭りが、古くから行われていた。  武蔵国の中心地が、神君徳川家康公(しんくんとくがわいえやすこう)入府(にゅうふ)以来、その地位を江戸に奪われはしたが、嘗ての国府を擁したその祭りは、それでも武州多摩(ぶしゅうたま)では、依然として最大の祭りとして、多摩三郡に住む人々からは、多摩の象徴と見做される大祭であった。
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