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「っ!」  ビクリと震えた奏に振り払われる前に、背後から抱きしめる形で陰茎を掴んだ成留は、右手で先端を、左手で幹を扱いた。 「っは……、成留、おまえ」 「こういうシチュエーションって、あこがれますよねぇ」 「ねぇ……っ、う」 「お風呂エッチは恋人同士のだいご味ですよ」 「知らねぇ……、あっ、成留」 「泡でヌルヌルして、気持ちいんでしょう? ほら、先輩のムスコが元気になってきましたよ」 「っ、はぁ」  口では文句を言いながら、抵抗らしい抵抗はせずに、奏は成留の指使いと背中いっぱいに密着している彼の体温を感じていた。耳元にかかる熱っぽい成留の息に心音が高くなる。 「ふふ……、ガマン汁垂れてきましたよ、先輩」 「い、いちいち……、言うな」 「しかたないじゃないですか。うれしくて、言いたくなるんです。――先輩が、俺の手で感じてくれてるんだなぁって」  しみじみとした声に、奏の心臓は口から飛び出しそうになった。 「ば、かやろ……、ぅんっ、は、ぁあ」 「俺のももう、すっげぇデカくなってますよ。先輩の触っているだけで」  そう言って押しつけられた成留の欲の硬さに、奏は息を呑んだ。 「ねえ、先輩。ちょっとそこの壁に手をついて、腰を浮かせてくれませんか? いっしょに気持ちよくなりましょうよ」 「っ、挿れるなよ……」 「大丈夫ですよ。男は女と違って、勝手に濡れませんからね。ヤるときは、ちゃんと濡らしてほぐしますから安心してください」 「おまえは……、っ、は、ぁあ」 「ねえ、先輩。はやく」
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